パティスリークスギン様


初めてお会いした時、なんてクソ真面目(失礼)なご夫婦なんだろうと思いました。腹黒ではなく、「腹白」でした。なので、商売は「腹グレー」で行きましょうとお話ししました。

私は飲食店のアドバイスの場合、可能な限り食べてみて味をチェックするようにしています。クスギン洋菓子店の洋菓子はとても美味しかったです。でも、ディスプレイの方法をもっと見直せないかなと思いました。焼菓子の方は先代までは仕入れておられたので、今の店長が初めて焼菓子にチャレンジされていました。その第一弾として、「しょうゆカステラ」が出来上がっていました。いただいたのですが、どうもパサパサして噛みにくい。なので、みたらし団子で使うたれをソースとして添えてもらったのですが、それでもパサパサ感は取れませんでした。

そこで、私の知り合いの方に、いろんな焼菓子をクスギン洋菓子店に送ってもらいました。それを食べてもらった結果、「しょうゆカステラ」は一旦取り下げされました。言葉で伝えるより、現物を食べてもらった方が店長のご理解が早く、やはり職人だなあと感じました。

このように商品にいろいろ変化を加えながら、お店のCI(コーポレートアイデンティティ)も変えていくことにしました。当店の近所には安売りの洋菓子チェーン店ができています。そこと差別化するためにも、今のかわいい路線より、もう少し高級な路線を目指していただきたく、デザイナーさんと一緒に、まずは店名をクスギン洋菓子店から『パティスリークスギン』と変えてもらうことにしました。そして引き続き、デザイナーさんにロゴを作ってもらい、そのロゴを使って包装紙なども作ってもらいました。高級感あふれるロゴと包装紙になりました。

そして、リニューアルオープン第1弾としてクッキーに挑戦していただき、企業の方々にも使っていただけるお持たせ・お土産クッキーセットが仕上がりました。洋菓子の方は、プライスカードをパソコンを使って黒一色で統一したものを作っていただき、ディスプレイに立てるのではなく、寝かせる形をとりました。洋菓子はプライスカードの後に、お皿を引かずに直接並べてもらいました。洋菓子の宝石箱を作りたかったからです。

また、数値面のお話をさせていただきました。以前に専門家が洋菓子屋さんの原価率は**%ぐらいだと説明され、パティスリークスギンさんはそれを守って来られていました。私が説明するときは、まず、利益と値入の違いを説明します。そして、売上値入率と原価値入率について説明します。できれば、売上値入率を採用して欲しいとお話ししました。

他にも数々のお話をさせていただきました。パティスリークスギンさんご夫婦が徐々に「腹グレー」に変わってきてくださったことを嬉しく思っています。まだ、従業員の労務管理やリニューアルオープン第2弾について等、考えていただく必要がいろいろありますが、クスギン洋菓子店の時代より良い店となったように感じます。

またお邪魔したいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

コミカデイサービス様


整骨院の経営革新でお伺いいたしました。福祉分野に参入したいとおっしゃっていました。最初は高齢者用の住宅をお考えでしたが、資産がかなり必要で、初めて福祉分野に参入するには障壁が大きいとお伝えしました。そこで、デイサービスから始めてみようということになりました。

経営者と私の2人で近隣の物件探しをしました。その時に経営者から、銭湯(コミカと言う名前の銭湯)の部屋がほとんど使われていないとお聞きし、その物件を一緒に見に行きました。この面積なら、デイサービスの基準を満たすと考え、銭湯の経営者に交渉することにしました。

交渉の第1回目に、交整骨院の経営者がデイサービスの概要や事業の安定性を伝え、話し合いがはじまりました。私はその話をお聞きして、まずはいかにコミカとその経営者(その街の中心人物)を好きであるか、尊敬しているかを書いたお手紙を持っていくようにお話しました。

すると、コミカの経営者が心を動かしてくださり、次は数値計画を受け入れてくださいました。その結果、コミカの経営者がデイサービスを開いても良いとおっしゃっていただけました。民間と民間のコーディネート事例になりました。

コミカデイサービスを開設するに当たって、いろんな法律をクリアしなければいけませんでした。整骨院の経営者はひとつひとつ難関をクリアしていかれました。法人格も取得されました。同時に、大阪府が行っていた、創業や経営革新を応援する「テイクオフ21」に応募することになり、整骨院の経営者と私で、夜中まで一緒になって、応募用紙を埋めていきました。その成果が認められ、「テイクオフ21」を取得することができました。

そして、コミカデイサービスを開設することができました。
その後、こちらの法人は、他の物件でデイサービスを展開され、認知症の方が入居できるグループホームも作られました。これからの展開に期待したいです。

サンドイッチ製造卸・小売業様


(とよだ代理)

とある県内で有名になっている、サンドイッチ製造販卸・小売業を行っておられました。私が店舗にお邪魔した時は、何もかもが真っ白で、まるで病院のような店舗でした。でもこれは、テナント会社が設計したもので、ちょうど食品フロアの改装を行う時期でした。

その店舗には、卵サンドとエッグサンドがありました。これは同じではないのですか?とお聞きしたところ、違うんですとお答えになりました。また、野菜サンドハム入りとハムサンド野菜入りがありました。これは同じではないのですか?とお聞きしたところ、違うんですとお答えになりました。私はある種のカルチャーショックを受け、これはマーチャンダイジングを見直さないと思いました。

そこで、店舗改装に合わせて、マーチャンダイジングを行うことにしました。まずは、原価を計算してみました。すると、一番売れ行きの良かったポテトサンドが、売価より原価の方が高いことがわかりました。社長曰く「売っても売ってもお金が残らない原因がわかった」とのことでした。これは中小企業に多く見られることです。

そこで、商品写真を模造紙にならべ、卵サンドとエッグサンド、野菜サンドハム入りとハムサンド野菜入りの違いを聞いてみました。すると、マヨネーズが異なると言うことがわかりました。
この県は、南に行くほど甘い味のマヨネーズを好まれ、北の方では甘くないマヨネーズが好まれることがわかりました。

そこで画像のように、理念と現実、販売促進の階段を作りました。理念に近い、まずはマヨネーズの違いを「自家製甘熟マヨネーズ」と「自家製手作りマヨネーズ」と名前をつけて区別することにし、それをPOP広告(購買時点広告)の中に表示することにしました。

そして、今まで中価格の商品のみだったのを、低価格帯・高価格帯の商品を入れることにしました(販売促進の階段)。そして現実につなげていき、マーチャンダイジングの中の、カテゴリーマネジメント(カテゴリーとは概念という意味で、グループとよく似ています)という手法を完成させました。その他、パッケージを変えたり、盛り付けを変えたり、価格を変えたりして、利益の出るお店にしていきました。

しかし数年後、諸般の事情により自主廃業されました(自主廃業は倒産ではありません)。赤字のためでもなく、資金繰りが回らなかったためでもありません。手作りできるものは手作りされてきた、より美味しくなるように工夫をされてきた結果、とても美味しいサンドイッチが出来上がっていたのです。でも、それらが経営以外の理由で台無しになり、本当に残念です。いまでももう一度、あのサンドイッチを無性に食べたくなります。