バリフルなマンションと電動車椅子

 本日、長文で失礼いたします。今日の仕事で溜めたストレスを、まったく異なる文章を書くことで吐き出してます。

 昨日、物理的・立地的・経済的な理由で今のマンションには住み続けられないから、引っ越しをするという方針・・・と書きました。それぞれの理由を書いてみたいと思います。ちなみに私の住むマンションは、総戸数30戸弱の、小さい子供さんがいらっしゃるファミリー層が多い小規模マンションです。部屋も小規模です。1戸建に住み買える前の住処として考えている方も多いです。

 物理的な理由として、まず自宅マンション内の玄関入ってすぐの廊下が狭すぎるということ。80cmあるかないか。手動車椅子は通れないことはないけれど、ドアノブなどにぶつかりまくりになりそうです。ドアノブを改修するという方法もありますが、引き戸には出来ない構造です。電動車椅子だともう少し車椅子の幅が広くなるかもしれないから、更に廊下を通りにくくなる可能性があります。また、廊下からリビングに続く扉がありますが、扉囲いのため、その分だけ廊下が狭くなっています。

 次に自宅マンションのエントランス。すなわち、共有部分。これが最大の難関です。以前にも書きましたが、2年前に私が今のマンションの理事長をしていた時、同じマンションに住む車椅子の高齢者の方が困っておられるのを見て、エントランスのスロープ化を提案しました。その時に工務店さんに来ていただき、一緒に可能性を探っていきました。現在の構図は、エントランスを正面から見ると、大きな階段(3段)と、植え込みを挟んで右側が自転車置き場用のスロープ。そしてそのスロープから小さい階段(3段)に直角につながっています。要は階段は2箇所です。

 まず、大きい階段(3段)は傾斜が強すぎ、かつすぐ前が歩道(公道)で、その歩道が狭い(歩道に自転車を置いている人もいる)ため、スロープを置いたとしても、ものすごい急な角度になりますので、設置不可能です。また、角度を緩めるために曲線のスロープを常設で付けるとしても、前の歩道は公道なので、公道に出っ張るようなものを作るとお巡りさんに怒られてしまいます。常設ではなく個々人が仮設で曲線のスロープを作るとしても、スロープが大きくかつ重すぎて、自室へは運べないだろう、というのが工務店さんの見解です。次に、自転車置き場のスロープから続く小さい階段(3段)ですが、大きい階段よりも傾斜は緩やかです。ただし、自転車置き場のスロープとは直角の関係にあり、また自転車置き場のスロープだから幅が狭く、それに続く階段なのでこちらも幅が狭いです。常設でスロープ化する場合、階段自身を削り取り、植え込みを少し削ってスロープを作らないといけません。それをせず、個々人が仮設でスロープをつけても、車椅子が外壁に擦れるだろうし、直角を一度で曲がりきれる程の幅(踊り場のようなもの)がありません。

 加えてどちらの階段も、階段を降り終えたところに、目の大きいグレーチング(溝の蓋)があります。ここで車椅子の前輪が引っ掛かる可能性があるので、グレーチングの溝を小さくしないといけません。これがまた価格が高くて、買い替えには1枚数万円します。話は少しそれますが、ベビーカーの車輪がこのグレーチングの溝にはまりやすく、はめてしまったお母さんを時々見かけ、引き上げるお手伝いをすることがあります。また、マンションに住んでおられた高齢者の方は、いつも男性2名のヘルパーで送迎を受けておられました。グレーチングの溝をうまくさけて通り、自転車置き場のスロープから階段へつながる直角のところで、男性1名が車椅子を何度か切り返し向きを回転させ、その後、高齢者の方ごと車椅子を持ち上げ、階段に対してやや斜め向きになって階段を3段上っておられました。そして、めちゃくちゃ重たいマンションエントランスの扉を開けて、中に入っておられました。

 エントランス以外にも、共有部分に段差があります、マンションの中に入り、EV前廊下と1Fの廊下が直角につながっているところに段差があるのです。子供が良くコケています。EVを使う分には段差は関係ないですが、私は1Fの住民だから、その段差を超えないといけません。そこもスロープ化を考えたのですが、常設のスロープだとEVの出入口にかかってしまい、EVを出入りする際に段差ができ危険です。ここも個々人で仮設用スロープを持っておくことはできるけれど、電動車椅子を支えられるようなスロープは重いので、毎回、持ち運びするのは大変だろうし、ここは解決できてもエントランスが通れないと意味がないというのが工務店さんの見解でした。

 そんなこんなで、工務店さん、管理会社、理事会で話し合った結果、「小さい階段を削り取り、植え込みを少し削って今よりも幅を広くしてスロープをつくり、自転車置き場のスロープにつなげれば、誰かに押してもらう形でなら車椅子でも出入り可能かもしれない」という案を総会で提案しました。けれどみなさんに反対されました。理由は景観が悪くなるから。バリアフリーは大切だけど、みんなまだ若いし今は必要ない、もう少しゆっくり考えようという意見でした。やがて、その高齢者の方は引っ越して行かれました。息子さんが今もこのマンションに住んでおられますが、同居出来ないことを残念そうにしておられました。今後、このマンションの大規模修繕が始まるのですが、あくまでも修繕だけで、残念ながらバリアフリー化の話は現在の理事からは出てこなかったです(私が理事を終える時に、次年度以降の申し送り事項にしてもらっていたのですが)。マンションの共有部分に手を加えるというのは、ほんと難しいです。

 立地的には、駅から遠いということ。最寄駅は2つありますが、近い方で歩いて25分はかかります。EVのある駅の方は歩いて30分以上かかります。おまけにこの6月で市のコミュニティバスが撤退し、同時に私鉄バスの本数も、1時間に2〜3本から2時間に1本に減便となりました。乗り物がなければ、ここは陸の孤島です。自動車または自転車がなければ、どこにも出かけられません。経済的には、もちろんのことですが、生活費とローンの心配。そして管理費と修繕積立金の支払い。修繕積立金はおそらく次年度から金額がアップする予定。これはかなり家計に響きます。もちろん、売却したとしても残債を考慮しないといけません。銀行と交渉するなどしないといけない。そんなことをなんだかんだ考え、行動しながら、引っ越すとしたら大規模修繕が終わるころ(たぶん来年の秋)かなと考えています。民間賃貸マンションを探すことになると思いますが(公営は諸般の事情で住めそうにありません)、それがうまくいくかどうかは分かりません。。。

 昨日さとりんが、電動車椅子に乗る頃には1人で移動(も着替えも他のことも)はできないと思う、とコメント欄に書いてくれました>さとりん、ありがとうです。私も心の半分(いやそれ以上かも)はそう思っています。ただあとの半分弱は、1人で移動できなくなる前から電動車椅子を導入する、無理すれば歩けるけれど、あえて電動車椅子を取り入れてみよう、という気持ちがあります。

 その理由は2つあり、うち1つはリハDrとお話をしていて、「自動車・自転車の運転は、私の身の安全を考えるといずれ諦めないといけない時期が来る。その時は電動車椅子を移動手段として取り入れたらいい。今までみたいなスピードで移動はできないけれど、ゆっくりでもいいから移動してみようというふうに考えませんか?」というアドバイスをいただいたことです。もう1つは、ある企業さんに私も働かせてよ〜という話を冗談でしていたら、杖でふらふら歩かれるぐらいだったら、電動車椅子でシャ〜と会社内を移動してくれる方がええわ、とおっしゃったことです。つまり、歩けなくなってから電動車椅子を取り入れなくてもいいんだ、まだ歩けるけれど自動車・自転車の代わりの移動手段として使ってもいいんだ、そして都合に応じて(トイレへ行くとか)立って歩けばいいんだ、環境が許せば介助をお願いすればいいんだってその時に思いました。

 もしこの考えを実践したとしても、そんな時期がいつまで続くか分かりません。すぐにそんな使い方はできなくなるかもしれません。非典型的なちゅーとはんぱな神経学上はALS疑い患者であり、どう進行するかさっぱり分からないと神経内科Drから言われている私なので、自分でも今後のことがさっぱり分からない。また、電動車椅子のバッテリーの問題、予算の問題などもある。でもどーせ分からないんだったら、一人で電動車椅子に乗って移動している自分の姿を想像して、今後のことを考えてみようと思いました。引っ越しする・しない、いずれであっても、いずれは介助が必要となるんだろうから、それまでの間、移動することを楽しめる時間が生まれることに期待してみようと思いました。夢がかなうかどうかは分かりませんが。。。

 明日、保健師さんが来られます。玄関までしかご案内できませんとお話しました(家の中はひっくり返っていますから)。とりあえず、エントランスを他の方の目からも見てもらおうと思っています。今朝も低体温の症状で悩まされたとよこでした。