「一般システム理論」という理論があります。ルートヴィヒ・フォン・ベルタランフィという方が、生命現象に対する機械論(要素還元論)を排して唱えた理論であり、簡潔に言えば、個々の要素ばかり見ないで全体の動きも見ようという意図で唱えられた理論です。私はこの理論に出会った時、私が思っていたのはこれだ!という喜びを感じました。
病院で例えると、消化器内科、呼吸器内科、耳鼻咽喉科、整形外科等と分かれている、こうやって分けて人間の身体を「要素」に分解して診ていこうというのが要素還元論です。しかし、近年の病院では、例えば総合診療科といったような名称で人間の身体を「全体」から診ていこうという動きがあります。これが「システム」です。
私は、経営という現象を要素とシステムの両面から見ていきます。押したり引いたり、また押したり引いたりという感覚です。この感覚は、他の◯に書きました「構造主義」にもつながっています。原因と結果を探る時に、とても役立つ理論です。