論理とは
論理とは、考えや議論などを進めていく筋道の意味です。というのは簡単ですが、「あなたの話は論理性がない」「わたし、論理的に話をするのが苦手なのです」といった声をよく聞きます。
私もずいぶん悩みました。その結果、以下の3つのこと(言葉の定義、機能と演繹、「3つ」の視点)を行うことによって、論理を持つことができました。それぞれ述べていきます。
*言葉の定義
同じ会社でも、案外、言葉の定義が異なることが多々あります。例えば、事業プロセスを分析している時に、「プロセス」そのものの定義が皆で異なることがあります。お仕事をさせていただいている時、おや?人によって意味が異なるぞ、と思った時は常にその方の考える意味をお聞きし、みなで定義の確認と定義の設定をしています。
*機能と演繹
帰納は現場から(その企業さまの)理論を作ること、演繹は理論から(その企業さまの)現場を作ることを指します。ボトムアップとトップダウンと考えていただいても大丈夫です。学問の世界ではもっと精密な考え方をしますが、実際の経営の場では私はこのように考えれば良いと思っています。帰納は例えば事業プロセスを分析し、整理し、わかりやすくし、それを自社の理論とする時などによく用います。演繹は例えば工程管理や動作分析の理論を現場に当てはめることで、現場の作業の流れを良くしたりします。
私は、中小企業診断士に合格した時に、そこで学んだ理論は捨てました。その理由は、ほとんどの理論が大企業向きだからです。そして中小企業向きの理論を自ら構築するために、いろんな学問、例えば社会学や哲学、工学などを学んでいます。大企業向けの理論をみなさまの現場に押し付けることはしません(ただし、そういう理論で分析した結果とその次の行動を書かれてあるのを見るのが好きな補助金がありますのでご注意ください)。
*「3つ」の視点
3つのことの最後に、「3つ」の視点について記します。“私はその問題に対し、3つの意見があります”などと言い、3つ意見を述べます。ただし、この3つは好きなことを言えば良いのではありません。「切り口」という呼び方を私はしていますが、例えばヒト・モノ・カネという切り口から3つの意見を述べる、P(Plan)・D(Do)・S(See)という切り口から3つの意見を述べる、といった感じです。
3つという数字は他の方に聞きやすく、また自らも考えやすい・覚えやすいので、3つをお勧めしています。4つや7つなどは聞いている方も考えている方もイライラしがちです。
私はまだ3つの意見も切り口も思い浮かんでいないのに、「この点について、私は3つの視点があると考えています」と先に言ってしまい、言いながら意見を考えるということ、しばしばです(笑)。3という数字を意識すると、論理的に話しやすくなりますのでぜひ実行なさってください。
これら以外に気をつけていることは、根拠(エビデンス)だけでなく、対話(ナラティブ)からも論理を引き出すことです。ナラティブにご興味のおありの方は、ぜひぜひ書籍をお読みくださいませ。医療関係の書籍に、エビデンスとナラティブについて書かれたものがあります。結構、面白いです。