大阪府は大荒れの天気が続いております。

 といっても、ここのところの天気の話ではありません。大阪は連日、暑い日が続いております。そうではなく、大阪府の行政のお天気のことです。

 新しい知事様の大阪なんとかプログラムのお陰で、府の職員さんたちは現在、新しい制度設計に大あらわ。そして、その一部の政策を府の委託等によって実施する機関は、どっちから吹いてくるか分からない風雨に向かって傘をさしては傘を飛ばされる・・・。今、大阪府の職員さんとその関係者はほんと大変です。私の仕事は行政関係の仕事が多いのですが、私には飛ばされた傘を拾って修理することぐらいしか応援できません。でも実際は、修理すらできないもどかしさ・・・。

 市町村も同様で、大阪府からの補助金カットで政策の見直しを迫られるばかりか、ここぞとばかりに勢いに乗って更なる財出削減を図ろうとする市町村財政関係者と関係部署の攻防を耳にします。私がいくつかの市町村と関わってきたプロジェクトも、どこかへ飛んで行ってしまいました。大阪府と市町村の補助金を介した結びつきの仕組みは、私の知る限りでは他府県よりも大きく、知事様のおっしゃる「出血を止める」ことだけを進めると、大変なことになりかねません。

 知事様の支援者のみなさま、偉そうなこと言って申し訳ございません。私は知事様のおっしゃること全てに反対しているわけではありません。賛成できるところもあります。でも、1)スクラップ&ビルドの、ビルドを考えることなくスクラップだけ進めてしまったこと、2)スクラップしてもいい部分とダメな部分(行政のやるべき仕事)の判断を、ポートフォリオのように決めてしまったこと、3)手をつけやすいところにだけ手をつけたこと、4)障害者/高齢者/子ども/中小企業などのニーズを一元化してしまったこと、5)NPOを行政の下請けのように扱っていること、6)市町村を大阪府のグループ会社みたいに扱っていること、7)お金もかかりエネルギーを無駄にし植物にとっても良くないイルミネーションに異様にこだわっていること・・・などなどの点で、私は疑問を持っています。行政は株屋・投資家ではありません。

 例えばニーズの一元化についての疑問を書くと、中小企業政策に力を入れるといっておられますが、中小企業といっても従業員300人近く雇用している中堅企業から、従業員の少ないないしは家族で経営する小規模事業所まであります。政策ニーズは全く異なります。障害者のニーズも同様です。高齢者も同様です。そして、障害者と高齢者ではそもそものニーズが異なります。子どもだって、学力の高い学校を作りたいとおっしゃっておられますが、そこに入りたい子どももいれば、学習すること自体に苦労がある子どももいます。で、それらへの配慮は、細かいニーズ対応は市町村が把握しているから市町村に任せるとおっしゃっておられますが、その言葉とは裏腹に市町村への財源はカットです。創意工夫でできることと、創意工夫だけでは限界があることを分かってもらいたかったです。

 もちろん、財源さえつければよいというわけではありません。財源(税金)を無駄に使わず、あるいは最低限しか使わずして、ニーズを満たす工夫をしている行政職員の方々や、企業・NPOなども存在します。そのような仕組みをビルトしてから(しながら)スクラップを進め、財源の配分を考えていかないと、例えばALSのような全身性障害者や、企業でいえば小規模事業所など、自分たちの努力だけではどうにもできない要因を抱えている者の二ーズは救えません。動けない障害者に、財源ないから自分のことは自分で創意工夫してやって、なんて言われても無理です。介護者・支援者による無償の創意工夫だけでは、やがては限界がやってきます。小規模な会社だから倒産しても税収や雇用にさほど影響はない、ということなのでしょうか。ここでも家族の無償の愛そして犠牲を求めているのでしょうか。

 そして保険制度ではない障害者自立支援法は、国:府:市町村:利用者=5:2:2:1の財源ですから、事業によっては給付(支援費)の締め付けが強くなる可能性が高いと私は思っています。財政力に乏しい市町村で、それが顕著に現われそうです。介護保険にはないサービスを受けたくても、受けられないALS患者が増えそうです(そもそも受けることができていない患者の方が多いと思うのに)。

 阪神タイガースがまもなくマジック点灯とのこと。阪神の調子の良さに知事様の調子の良さが、大阪人(全員とは言わない)には重なって見えるのかもしれません。勢いの相乗効果でしょうか。何度も申し上げますが、私は知事様のやっておられることを全面否定するわけではありません。ただ、知事様のやっておられることの利害関係者がどれだけ広いか・深いかを知っていただきたいと思っております。

 と書きつつ、こんな行政を作ってしまったのは、行政のガバナンスをちゃんとしてこなかった私たち市民・府民の責任でもあると、私は考えております。小さい声ですが、私は自分の現場で「おかしいことはおかしい」とこれからも言い続けたいと思います。行政にも、営利企業にも、非営利事業所にも。

 こうしてまた、ケンカの火種を作るとよこでした。今日はなぜか指がよく動いたなあ(^^)

11 thoughts on “大阪府は大荒れの天気が続いております。

  1. さとりん 返信する

    出来ることなら、大阪府民辞退したい・・・
    簡単に出来るならね〜〜〜

    補助が色々カットされるってうちの保健婦さんも言ってましたよ。 ますます生きにくくなる気配。
    赤字は、解消しないといけないのはわかるけど・・・
    せめてねぇ・・・・・

  2. たけさん 返信する

     う〜ん。
     一般サラリーマンをしてると良くわからないけど、大阪府のお金の使い方には???ということが多いから、赤字削減という響きに、一般人はクラッとくるのよね。

     知事さんがまだタレント弁護士だったとき、「今のサラリーマンは時短だなんだと言って働かない。高度成長期のサラリーマンのようにもっと働け!!」見たいなことをテレビで言ってるのを聞いて、ぜ〜ぜん一般サラリーマンのこと知らないんだって思った。

    さすが北野→早稲田→弁護士(だったっけ)のエリートは付き合う相手もエリートなんでしょうね。
     がんばってるのはわかるけどね。そろそろ大阪人も地味でも政治のプロを選ばないとダメなんじゃないでしょうか。(上目線で書いちゃいました)

     そういえば前の知事の太田さんすっかりタレント。今あんだけいろんな事言うんだったら、もうちょっと知事時代がんばってくれたらここまで赤字にならなかったんじゃない・・・とテレビにつっこんでます。

  3. おぎの 返信する

     キャサリンさんのとこの写真を見て、なにやら、凛とした美人が・・・と探してきました。おぎのです。
     さて、上記のような政策の考え方についてですが、本来はまず社会の大枠から整理すべき(エネルギーも食糧も足らなくなれば、どうしようもない)で、また個別の問題についてそのまま個別に対応するのか、そうではなく、社会構造を変化させて、問題の生じ方を変えてしまうか、ということがあると思います。
     そういう組み立て方がはっきりして初めて、お金の使われ方の妥当性を判断できるようになるはずじゃないかと。

     で、偉そうに書いている私の具体案ですが、昨年書いたものが以下に
    http://www.bluesky-ml.org/archives/6674.html
     これが、あちこち送ってみても、全然取りあってもらえないんです・・・
    「構造化コーディネート研究所」なら、ひょっとして興味ないかしら・・ 
     もうちょっと整理した改訂版もあるんですけど。もしさらに興味があれば、
    ogino.yukio@nifty.com まで。いきなりすいませんです。

  4. toyokosan 返信する

    さとりん
    コメントありがとう。さとりんの住んでいる地域は、財政的にかなり苦しい地域ですよね。
    地場産業が衰退し、法人税収入は期待できない。
    でも大阪の南と北の端には障害者施設(いわゆる迷惑施設と呼ばれていた施設)が多いしね。
    自立支援法が施行され、市の負担が増え、そうとうしんどい思いを市役所はしていることかと思います。支援法の介護給付と訓練給付はニーズが異なるので、その部分の配慮が欲しかったなと思っています。議会で話題に上っているのは、今のところ就労支援だけだしなあ。
    仕方がないから、やっぱり島を作るか(^^)

  5. toyokosan 返信する

    たけさん
    自宅のネット環境、書いて気になりましたか〜。
    大阪府民は役人嫌いが多いので、知事様のご意見にはクラっとくるでしょうね。

    ほんとよくテレビに出てますね、前知事。タレント性あるとは思えないんですが。。。
    前知事は国からの出向みたいなもんだったから、テレビで“大阪を愛しています”なんて
    言われても“何ゆうてんねん”って突っ込みたくなります(^^)

  6. toyokosan 返信する

    おぎのさん
    はじめまして。コメントありがとうございます。凛とした・・・なんて褒め言葉をありがとうございます(単純な私)。実態は、ひきつり笑いです。カメラが苦手なので、証明写真以外で撮った、久しぶりの写真です。こんなに老けたのか、とちょっと落ち込んでます(–)

    私の“未来”の会社「構造化コーディネート研究所」にご興味を示して下さりありがとうございます。法人登記場所は、天国か地獄になりますが(^^)

    おぎのさんのお立場が分からないので、私のスタンスを先にお話しさせていただいた方がいいかもしれません。
    1)私のコーディネート手法はマネジメントです。「誰が・何する」を考え、行動につなげることです。
    2)私は実践者の支援をしています。実践者と共に、ヒト・モノ・カネ・情報・ノウハウなどを見つけたり、つないだり、組み立てたりする仕事です。あるいは、実践者が不得意とすること(例えば説明することなど)の支援をしています。
    3)私の役割は「問題解決」です。経済学や社会学の研究者、評論家、一部の市民(団体)等がされているのは(例として社会学の方なら常識というベールで隠された)「問題の発見」です。どちらも大切ですが、私は(経営または経営学の範疇である)、今、目の前にある「問題の解決」を行う実践者を支援することに比重を置いています。
    4)私は物事を、システム・プロセス・要素の3つから捉えています。そして今回の記事は、プロセスと要素からみた大阪府の政策についての意見です。プロセスをビルトせずに、つまみやすい要素をスクラップしていったことについて、異議を唱えたつもりです。

    これら4つのスタンスからおぎのさんが書いてくださったご意見を拝見すると、前半のご意見は、根本療法つまりシステム論だと思います。
    私もシステム論は好きですし、手法であるマネジメントの範疇でシステム論(事業・組織システムなど)に関わっています。大阪府の政策についても、システム論から話し合う必要があると思っております。ただ知事様が、「知事」というものはどれくらい恐ろしい「権力」を持っているのかを知っていただかないとシステムについての議論ができない、権力の恐さ・恐ろしさを知らないと公共のシステム作りをすることはできないと、私は考えています。

    あと後半のコメントにコピペして下さったURL、拝見しました。おぎのさんもすでにご存じのことかとは思いますが、多くの政策は実践の後をついてきています。そして今、みんなが欲しいのは、政策につながるようなモデルを作っていこうとする、そんな実践者じゃないでしょうか。

    私は私にはできないことをやっておられる実践者の方を尊敬していますし、私自身は実践者のフォローとして、自分のちっちゃい力を発揮できればと思っています。そして、その活動範囲は、私の“頭の視野”が届く範囲に絞り込んでいます。とはいえ、病気のお陰で、だんだん“体の視野”が届く範囲になりつつありますが・・・。

    おぎのさんが既に何かを実践されておられる方なのかどうか分かりませんが、おぎのさんのご意見を、おぎのさんならどのように「実践で」解決されているのかどこかで説明され、そして、そんなお話しを私にもまた良ければ聞かせていただければうれしいです(^^)

    コメントありがとうございました。これからもお互い、政策にぶーぶー言い合いましょう(?)

  7. おぎの 返信する

     もうちょっとだけ。
     誰も相手にしてくれないので、実践のしようがなくて困っている訳です。
     個人としては、農地を購入して食糧を確保できないかと苦闘していますが今のところ全然ダメ。あと実家が小学校相手の教材屋なので、メーカーに意見してみましたが特に反応無し。本質的な学力と関係ない教材なんか売りたくないしねえ。

     石油・食糧が足りなくなって物価が高騰すれば、予算がどうだろうと全部パーでしょうし。太陽光発電・風力発電は、エネルギー効率が悪くて全然間に合わないことは、ちょっと調べれば誰でも分かるはずなんだけど。
     みんなどうするつもりなんだろうなあ。

  8. toyokosan 返信する

    おぎのさん
    再度、コメントありがとうございます。

    おぎのさん自身が実践者になるわけではなく、誰かに実践してもらいたいとお思いなのでしょうか。
    それとも実践の仲間を探しておられるのでしょうか。
    また、ボランティアとして問題解決をされたいのでしょうか。ビジネスとしてお考えなのでしょうか。

    >個人としては、農地を購入して食糧を確保できないかと苦闘していますが今のところ全然ダメ。
    農地購入してご自分で自給自足されるという意味でしょうか。
    仮に休耕地の購入をお考えであるとしても、農地の購入には農地法などの法律が関係したり、持ち主がなぜ休耕地であっても他人に手放そうとしないのか、そのあたりはお考えでしょうか。

  9. toyokosan 返信する

    ごめんなさい。途中経過で投稿してしまいました。なんせマウス操作がうまくできなくなっているもので・・・

    >あと実家が小学校相手の教材屋なので、メーカーに意見してみましたが特に反応無し。本質的な学力と関係ない教材なんか売りたくないしねえ。
    メーカーも大企業から中小企業までいろいろありますが、社会性と利潤のバランスを考えないと成り立ちません。いくら社会貢献の重要性を訴えても、利益がでる事業でなければ企業は動きません。利益は社会貢献の道具です。

    いずれにせよ、おぎのさんが昨日のURLに書かれていた内容はおぎのさんの「意見」ですので、誰かに実践してもらう(ないしは実践のパートナーを見つける)のであれば、キラッと光る「アイデア」と、具現化に向けた「企画」が必要です。
    最近の情報は知りませんが、昔は企画者と実践者のマッチングイベントなども開催されていたようですよ。私はこのようなイベントにはあまり興味を持っていませんので、最近の動向は分かりませんが(個人的に知り合い同士をマッチングすることはありますが)。

    私は「一人でもやる」という想いを持っておられる実践者に関心があり、その実践者の支援をしたいと思っています。
    言いつくされた言葉ですが、私が関わっておられる方の多くは、Think Globally, Act Locally にて活動されておられます。

    ではでは、2回に分けた投稿で失礼いたしました。

  10. おぎの 返信する

     すいません、補足説明だけ。
     土地は10年近く前に8000坪ほど購入してます、そのときにこの地区のちょっとおもしろいおばさんとか、その親友の隣町で一番大きな有機農家のおばさんとも一度話したりとか・・

     私の「意見」ですが、誰が見ても社会的に最善のはず、と、自分では思っています。そうではないと思われる部分があればぜひ指摘していただきたいです。「企画」といわれても、基本政策の問題なので、主権者である国民一人一人の認識如何とおもいますが。

  11. toyokosan 返信する

    おぎのさん
    すごいですね、8000坪! なんだか面白そうなことが出来そうですね〜、とついつい考えてしまうのは私の立場故です。

    私の先ほどの返答は、おぎのさんの「意見」(問題発見)に対して“そうではない”と思う部分があるという意味ではありません。
    私の立場でお答したかった(お答えできる)のは、おぎのさんの「意見」(問題発見)をどのように具現化されようとするのか、その「企画」(問題解決)があればいいなあ、という意味です。

    言いかえれば、国民の環境に対する認識を「意見」を出して変えるのか、「実践」を通して変えるのかの違いであり、私の立場は「実践」と通して変えようとしている方々の支援をしているので、その立場から見たご返答しかできない、ということです。

    ですので、私はおぎのさんが求めておられる回答をお出しできる立場にないかと思いますので、おぎのさんの「意見」を、今からおぎのさんの8000坪の農地に関わってくださろうとされている方々に、お話しされてはいかがですか?

    おぎのさんが8000坪の農地で、どんな関係者を巻き込み、どんな実践をされるのか楽しみです(^^) ではでは、失礼いたします。

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