障害年金は収入にカウントされることがある(12/1追記)。

 今年3月に行った確定申告は、私にとって障害基礎年金を受給しながら迎えた初めての年度の申告でした。私はフリーランスなので、青色申告で所得を計算した後に、私の所得税の確定をさせていきます。そして所得税確定申告書の中に事業で得た収入・所得の他、(大学で教えていた時は)給与による収入・所得を書き込んだりしました。でも障害基礎年金は、公的年金等の欄に収入として書く必要はありません。障害年金(障害基礎年金or障害厚生年金)は、所得税も住民税も「非課税」だからです。言い換えれば、障害年金は「収入・所得」として見なさないということです。

 けれど、障害年金は「非課税」でありながらも、「収入」と見なされる場合があるのです。それは生活保護費を受給している場合です。自治体が生活保護費の支給金額を計算する際に障害年金を収入とみなすため、生活保護世帯が受け取れる受給額が減額となってしまうのです。税金が払えないほどの所得しかない、ないしは所得がないために生活保護費を受給し、非課税世帯になる訳だから(税金を払っていない世帯なのだから)、そういう意味では、税金で成り立っている障害年金が収入と見なされるということには納得できるのですが。。。

 ただ、「いつ障害年金の受給権が発生したか」と「いつから生活保護を受給するようになったか」にはとても大きな関係があり、場合によっては、障害年金にて生活保護費を返還しなければいけなくなります。加えて、障害年金の受給権の発生は、どのような疾患や受傷等により障害を受けたかによって異なります。

<障害基礎年金と障害厚生年金では制度運用が異なりますので、以下は障害基礎年金(国民年金の対象者への障害年金)についての事例として述べていきます。また自治体によって、障害基礎年金や生活保護の運用方法も異なりますので、あくまでも一事例としてお読みください。>

 今、私の義長兄・義次兄世帯が、生活保護と障害基礎年金の狭間に陥っています。私の義次兄は知的障害を持っています。そして現在、障害基礎年金の決定待ちの状態です。加えて障害基礎年金の申請「前」までは、約半年間、義長兄と(亡き義母が)同世帯として生活保護を受給していました。

 知的障害と一口に言っても、障害の起因となる疾患はいくつかあります(実際の疾患名と障害年金の疾患名は必ずしも一致する訳ではありません:障害年金の方が疾病の種類が少ないため)。義次兄の場合、精神科にて障害年金の申請のための診断書を書いていただきましたが、その際、「精神遅滞」と「アスペルガー」のどちらにも該当するけれど、確実に『20歳前の発症』であることから「精神遅滞」となりました(アスペルガーの場合、20歳以降の発症として捉えられることもあるため)。この『20歳前の発症』であるかどうかで、障害基礎年金と生活保護との関係が大きく変わります。

 『20歳前の発症』であるならば、20歳を過ぎれば障害基礎年金の申請ができます。けれど義次兄はこれまでずっと障害に関する制度を利用(ないしは申請)しておらず、療育手帳を取得したのも昨年になってです(60歳で取得です)。国民年金を納付していないため、このままでは無年金者となります。けれど『20歳前の発症』である障害を持っている場合、国民年金を納付していなくても障害基礎年金を申請することができるため、今年5月に申請しました。加えて『20歳前の発症』であれば、障害基礎年金の受給が決定した後に、最大5年前まで遡って受給することができます。

(12/1追記:この場合、20歳までに身障や療育手帳などを取得しておかなければなりません。ウチの義次兄は取得していなかったので、結局5年間遡っての受給を得ることは出来ませんでした。)

 しかし、障害基礎年金の受給決定が生活保護費の受給期間中に重なってしまった場合、「障害基礎年金という収入があった」と見なされ、過去に遡り、生活保護受給額が再算定されます。そして本来の受給額より上回って受給していた分を、自治体に返還しなければいけなくなります。障害基礎年金の1級または2級いずれにせよ、5年間遡って受給するとなると、400万円前後の収入を得ていたことになります。その場合、義長兄・義次兄世帯の場合は、これまでの生活保護費の全額を返還しなければいけなくなります。

 そのため、障害基礎年金の申請を始めるに当たり、生活保護費の受給を解消しました。生活保護費を受給していない時に障害基礎年金の受給および過去分の遡及をすれば、これまで給付を受けていた生活保護費の返還の必要がなくなるからです。生活保護を受給する前に障害基礎年金を受けていれば、その旨を自治体に申し出て受給額を決定してもらうことができるのですが、順番が逆になると、とてもややこしくなります。

 義次兄の障害基礎年金の受給はまだ決まっておらず、加えて今は生活保護を受けておらず、かつ義長兄の事業による収入もわずかしかないため、先月・先々月と義長兄・義次兄世帯の生活費がかなり不足している状態です。私自身、事業収入が体調を崩す前の3分の1に減少しており、障害年金がないと生活できない状態です。けれど義長兄・義次兄世帯の方が経済的に大ピンチですので、私とダンナで生活費を補填しています。来月はもう補填できそうにありませんが・・・。

 今後は、もし義次兄の障害基礎年金の受給が決まり、過去分の遡及も終わった後、(義長兄も無年金であるので)1〜2ヶ月分の生活費があるかないかの時点で、再度、生活保護の申請をする予定です。それまでに、義長兄世帯には引っ越しをしてもらう必要があるため(私たちの住む自治体では生活保護による住宅補助の上限が月55,000円迄のため)、現在、府営住宅に申し込み中です。

 ちなみに、(国の制度ですが自治体ごとに審査がある)自治体の特別障害者手当も申請しようとしました。私の場合、身障1級=申請権利ありなのですが、療育手帳A=必ずしも申請できるとは限らないのです。療育手帳Aは、自治体のデータベースの中では「重度・最重度」に分けられており、最重度でなければ特別障害者手当の申請権利がありません。義次兄は重度でしたので、申請できませんでした。

 義長兄・義次兄世帯が、生活保護と障害基礎年金の狭間から脱出できる日がいつになるのか分かりません。とにかく今は、障害基礎年金が決定することと、府営住宅に当選することを祈るばかりです。府営住宅に外れたら、民間でかつ家賃の安いところに、一旦、引っ越してもらう予定です。加えて、義次兄に障害者自立支援法の障害区分認定調査を受けてもらうため、義次兄と一緒に自治体へ出向いてもらうよう義長兄にお願いしています。

 ウチの事例はあくまでも一事例に過ぎませんので、詳しくは各自治体にご相談ください。できれば、弁護士さんや社労士さんにご相談されることもオススメします。無料相談制度も探せばありますので。

 ALSのように『発症日が分からないし、障害固定しない疾患』の場合、初診日から1年半が過ぎた時点で障害年金の受給権が発生します。けれど、もし生活保護を受けておられるALSの患者さんが障害基礎年金の手続きをされる場合、重なって受給する時期があると一部返還しなければいけなくなる可能性がありますので、どうぞご注意ください。

 繰り返しになりますが、生活保護制度自体は国の制度ですが、その運用は自治体によって異なりますので、詳細は自治体にお尋ねください。また、障害基礎年金か障害厚生年金のどちらを受給する(できる)のかによっても条件が異なりますので、障害基礎年金の方は自治体に、障害厚生年金の方は、別途、関係機関にお尋ねください。

 なかやさん、お答えになっていますでしょうか。もしまだご不明な点があり、私で答えられることがありましたら、またコメント欄に書き込みをお願いします。文字だけで説明するのは難しいですね。。駄文での説明、どうぞお許しくださいませ。
 

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