介助犬を持つことを諦めた理由

 『どんな高度な科学技術も愛ある君にはかなわない。介助犬は53頭、待っている人は15,000人。』日本介助犬協会の神尾香菜子さんが、博報堂/2011 TCCコピー年鑑で新人賞を受賞された作品です。日本介助犬協会の主たる収入の1つは寄付です。あとは助成金などで賄っておられます。

 それ以外に、都道府県よっては、補助犬盲導犬聴導犬介助犬を合わせて補助犬と呼びます)育成費用補助金というのがあり、大阪府の場合、昨年は補助犬全部合わせて5名分、1頭につき150万円を育成費用として賄ってもらえる制度がありました(実際は介助犬を育成するのに150万円じゃ全く足りませんが)。明日の府の広報を見れば、本年度もそれがあるかどうか分かるかもしれません(市政だよりにのる場合もあります)。

 私は昨年、直接、府に連絡し、応募用紙の配布時期を聞き、1月中旬頃にFAXしてもらいました。そして締め切りまでに郵送し、翌年度(平成23年度)の夏に自宅で面接を受けました。府としては、介助犬と共に就業する障害者を優先しており、私は府の仕事をいくつかしていましたので、府としては実績をアピールできる絶好の対象者でした。

 その前から、日本介助犬協会の見学会に行ったりして、介助犬希望と伝えていました。どの方に介助犬をお渡しするかは、どんな介助犬がその方に合っているのか、その方の障害程度はどうか、その方はどのようなことを介助犬にしてもらいたいか等の面談や、訓練体験などに参加し、介助犬と共に暮らしていける可能性があると見なされると合同訓練を受けることになります。

 私は府に加え(これは予測ですが)、日本介助犬協会から支援を受け、介助犬を持てるかもしれないというところまで来ていました。しかし、大阪府の育成費用補助金の対象者が決まるのが秋頃で、その年度の3月には介助犬とその飼い主(障害者)と共に、介助犬の「認定試験」に合格することが、府の育成費用補助に対する絶対条件でした。認定試験に受からないと、介助犬の背中に「介助犬」と書かれたケープ(被せ物)をつけることができず、どのような場所でも介助犬として扱ってもらうことはできません。

 日本介助犬協会の方は、決定してから認定試験までの期間が早すぎると交渉してくださいましたが、府はどうしてもその部分だけは譲れないということでした。そのため私は、申請を辞退することになりました。そして今年(来年度分)、再度申し込みをするつもりでいました。

 ただ、私の病気は「障害固定」する病気ではありません。脊髄損傷といった方々であればほぼ障害は固定しますが、私の場合、進行性の病気なので、徐々に身体が変わっていく可能性が高いです。

 その変化に、介助犬がついていけるかどうか・・・と考えると、やはりムリだろう。同様に進行性の病気、例えばリウマチのように関節の悪化という進行に留まる病気とは異なり、ALSの場合は自ら動くことすら、自ら声を出すことすら出来なくなるので、そうなれば介助犬はどうすればいいのか分からなくなってしまいます。

 そのため、介助犬協会の方々は検討を繰り返してくださっていますが、先日、私の方からメールで「諦めることにします」とご連絡いたしました。答えの出ない検討会をいつまでも続けていただくより、それならもっと介助犬に相応しい病気ないしは障害をお持ちの方に、介助犬を持っていただくのがいいだろうという考えからです。まだメールでしか連絡していませんので、近日中に、協会に電話しようと思っています。

 1月に諦めたことだから、1月中に書ききってしまおうと思い、今日の内に諦めた理由を書きました。明日から2月。明日は毎年恒例の、体力テスト講習会(某資格更新研修会)です。午前2時間、午後3時間午前3時間、午後2時間、途中休憩45分(実際は45分もないけれど)で、しゃべりっぱなし、立ちっ放しの講習会です。筋肉で立つことができないから、骨で立ってきます。

 今年はとうとう、車椅子で会場まで行かせていただくことを許可いただきました。また、しゃべるのが辛いので、受講生への課題として計算問題を無理やりい入れて、損益分岐点売上高などの計算を復習してもらうことにしました。

 さて、去年より体力はかなり落ちているし、声も出し続けなくなってきているから、テストの点数は下がるでしょうね(–) こういう講習会より、ディスカッションできる講習会(学習会)の方が好きなのですが。それならアドレナリン出まくりなのにな〜。それでは。
 

2 thoughts on “介助犬を持つことを諦めた理由

  1. ぐりぐりももんが 返信する

    介助犬が53頭、方や待機者が1万5千人なんて、何かしら日本の福祉制度の貧困を感じました。
    福祉予算の使い道ですが、何か間違っていないでしょうか。
    政治家の集票目的で、薄く広くばら撒くのは通例ですが、重点主義も必要でしょう。
    そんな気がしますね。

    それと、体力テスト!?、頑張って下さい。
    車椅子のままでもOKとか、特例って無いんでしょうか。

  2. toyokosan 返信する

    ぐりりん社長、ありがとうございます。

    補助犬に関する法律ができて、今年でようやく10年です。渡米する際に偶然に飛行機の中で流れていた介助犬の映像を見られた現在の事務局長(医師でもある:女性)が、アメリカの介助犬の活躍さに感動され、日本でプロジェクトを組んで、ボランティアで介助犬を養成することを始められました。あの放送と出会わなかったら、普通の医師をしていたと思う、とのことでした。

    とはいえ、介助犬を養成できたといても、店内に入れなければ意味がありません。そこで、補助犬シールが出来上がり、それを大手スーパーなどで主に貼られる様になりました。でも、私自身、まだ地元で介助犬を見たことがありませんし、介助犬ユーザーは、なんやかんやと理由をつけて断られるとのことでした。

    一部の(ある意味マニアックな)医療関係者は、障害者に対する自助道具を作ることには比較的熱心な国ではあると思いますが、自分で何かをするということに限界がくるということが分からなかったり、落ちたものを拾うといったことは、自助道具ではどうにもできないということが、政治家や官僚自体、補助犬の必要な方がいらっしゃらないから、その重要性に気づいてくれないのでしょう。都道府県にしても大阪はまだマシな方で、育成費用の補助金すらない都道府県もあります。盲導犬、聴導犬は歴史が古いけれど、介助犬は歴史が浅いので、政策になかなかならないです。ちなみに、こちらの協会の大きなスポンサーはトヨタです。

    体力テスト講習会、午前中3時間の講座なのに、昨日のブログに2時間と書いてしまったので、すっかりそのつもりで2時間で終わろうとしました。でも受講生はポカ〜ンとしておられます。出口に出て、職員さんに終わりましたけれど・・・と伝えたら、あと1時間ありますよ、と答えられる始末。脳の体力が低下していました(–)

    昨日は行政関係の仕事でしたので、決して車椅子をお断りされることはないと思っていました。でも病気の話をすると、これまで、来年もよろしくと、毎年、仰ってくださっていたセリフがなくなりました。来年はムリだろうと思われたのかもしれませんね。受講生には特例(席の位置)などがあっても、講師にはそれがありません。なので、行政機関からの講習会等の仕事は激減しました。大阪府より、他府県の行政機関の方が、障害者でも受け入れてくださいます。

    今日の講習中は立ってお話し、生産・流通・販売にかかるIT用語の主なものを「MWRC」の流れに沿って表にしたっものを配布し、ITの本質を知ってもらいました。あるいは会計の流れの図を使ったり損益分岐点売上高の計算問題を入れるなどして、会計の本質を知ってもらうようにしてきました。どちらも今は経営の基礎・基盤ですが、難しい言葉を知ろうとしたって、本質が分からないと、一部の方の頭の中では???ですもんね。

    でも、行政機関にしては“更新研修はいつもの定例行事”でしかなく、内容はどうでも良いのです。やはり講師は「見た目」なのでしょうね。まあ、これは人間の本能ですから、仕方ありませんね。こういう経験に慣れました^^ 

    年度末が終われば、障害者になった私にも出来る、その会社・店舗の「経営のクセ」や、複数機関等の連携の「クセ」を見抜きながら、その価値観等を、私のブログのサブタイトル通り、見て・つなげ・組み立てよう、という仕事をしていけるようなことを考えてみようと思っています。さて、できるかな???

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。