『実践ソーシャルイノベーション』における実践知リーダーシップの6つの要件について。

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野中氏他『実践ソーシャルイノベーション』より、実践知リーダーシップの6つの要件について。まずは個人の能力と組織的に継承していく能力に分けられ、それは内面的資質と実践能力から成り立つ。
<個人の能力>
[内面的資質]
1.「善い」目的をつくる能力:リーダーは信念を持つ。
信念とは、守るべきことや為すべきことを身を以て任じ、心の底からそうありたいと願う心の有様である。
信念の共有は、多種多様な立場で自立分散的に動く個人や組織をまとめ、未来へ向けて方向づけするために、重要な役割を果たす。
リーダーの信念をベースとして知識の相互作用を生み出すプラットフォームが作られ、社会的価値の共創の実現を可能にしているといえる。リーダーは、どのような結びつきが可能か判断し、相互関係のデザインを試行錯誤し、粘り強く信ずる方向へ進んで行くのである。
2.現実を直観する能力:リーダーは個別具体の現実のただ中で実践する。
後戻りすることはけっしてできないという不可逆性を持つ時間の流れの中では、現実をありのままに見てたような事象の複雑な関係を直観し、目前の状況を瞬間で判断しタイムリーに対応していくことが重要になる。
規定の枠をはみ出して行動することにより、それだけ様々な事象に対する出会いが増加する。状況の中からせり出してくるにように気づきが訪れる。
ただ、こうした気づきは、狭量な視野からは生まれない、現場に没頭し過ぎて現場の細部しか見ないような行動からは得ることができないので、注意が必要である。
3.場をタイムリーにつくる能力:リーダーは文脈を読む。
優れたリーダーは、社会的事象の関係の背後にある時空間の変化の流れである「文脈」を感じ取り、歴史の流れの分岐点において適切な判断を行い、行動に移す能力が高い。
文脈(コンテクスト)とは、一般に文章の流れやその前後関係、あるいはさまざまな物事の流れやその背景にある状況、関係性のことである。
これは、単に「過去に習う(経験にとらわれる)」ことではない。過去の経験を現在の文脈に合わせて再構成し、新たな意味付けを行って未来を選択することである。
[実践能力] 4.直観の本質を物語る能力:リーダーはプロデューサーである。
リーダー達は、「よそ者」としての視点を持っている。
ソーシャル・イノベーションを担う実践知リーダーは、文脈を踏まえて社会的価値を共創するような知の組み合わせを模索し、関係性構築により知の相互作用を次々と誘発させて、変革という物語につなげて行くプロデューサーの役割を果たす。
「物語(ストーリー)」(名詞)ではなく、現在から過去を見て歴史の中から新たな意味や、起承転結のパターン(動詞)を見いだし、未来を創造する「物語り(ナラティブ):言葉は世界をつくる」である。
5.現物語を実現する政治力:リーダーは自己組織化のきっかけをつくる。
世の中を変えるほどの大きな流れとなるには個人の力だけでは十分ではない。見逃してはならないのは、社会変革の自己組織化現象である。
リーダーは変革のきっかけをもたらすが、その過程で自らの価値観に対する周囲の共鳴、共感を呼び起こすことによって、活動の多様な広がりを創発する。
かならずしも一人のリーダーに依存しない。パートナーシップを組んで協力を引き出していくことができれば、リーダーに頼らずに人の意識や組織の仕組みも変わって行くはずである。
<組織的に継承していく能力>
[実践能力] 6.実践知を組織する能力:リーダーは変革を持続させる。
リーダーは、ひとたび仕組みを作り上げた後は、停滞・固定化に陥らないように持続的に変化のきっかけをもたらし、新たなサイクルへの移行をうながす必要がある。
ただし、ひとりの人間としての力には限界があるため、様々なレベルでリーダー的人材が育成されていくことが望ましい。それは実践を通じて経験を蓄積して行くのが早道である。
実践知リーダー達の思いに共感し、その活動を継承しながらも、現実の文脈のただ中で、行動しながら刷新をして行く「守破離の方(クリエイティブ・ルーティン」が必要となる。
以下は、暗黙知・経験知・実践知のダイナミック・トライアド(動的な3つ組)が社会変革を推進することを表した写真です。既出ですが、もう一度掲載します。
野中氏他『実践ソーシャルイノベーション』より、実践知リーダーシップの6つの要件について。まずは個人の能力と組織的に継承していく能力に分けられ、それは内面的資質と実践能力から成り立つ。</p>
<p><個人の能力></p>
<p>[内面的資質]</p>
<p>1.「善い」目的をつくる能力:リーダーは信念を持つ。<br />
 信念とは、守るべきことや為すべきことを身を以て任じ、心の底からそうありたいと願う心の有様である。<br />
 信念の共有は、多種多様な立場で自立分散的に動く個人や組織をまとめ、未来へ向けて方向づけするために、重要な役割を果たす。<br />
 リーダーの信念をベースとして知識の相互作用を生み出すプラットフォームが作られ、社会的価値の共創の実現を可能にしているといえる。リーダーは、どのような結びつきが可能か判断し、相互関係のデザインを試行錯誤し、粘り強く信ずる方向へ進んで行くのである。</p>
<p>2.現実を直観する能力:リーダーは個別具体の現実のただ中で実践する。<br />
 後戻りすることはけっしてできないという不可逆性を持つ時間の流れの中では、現実をありのままに見てたような事象の複雑な関係を直観し、目前の状況を瞬間で判断しタイムリーに対応していくことが重要になる。<br />
 規定の枠をはみ出して行動することにより、それだけ様々な事象に対する出会いが増加する。状況の中からせり出してくるにように気づきが訪れる。<br />
 ただ、こうした気づきは、狭量な視野からは生まれない、現場に没頭し過ぎて現場の細部しか見ないような行動からは得ることができないので、注意が必要である。</p>
<p>3.場をタイムリーにつくる能力:リーダーは文脈を読む。<br />
 優れたリーダーは、社会的事象の関係の背後にある時空間の変化の流れである「文脈」を感じ取り、歴史の流れの分岐点において適切な判断を行い、行動に移す能力が高い。<br />
 文脈(コンテクスト)とは、一般に文章の流れやその前後関係、あるいはさまざまな物事の流れやその背景にある状況、関係性のことである。<br />
 これは、単に「過去に習う(経験にとらわれる)」ことではない。過去の経験を現在の文脈に合わせて再構成し、新たな意味付けを行って未来を選択することである。</p>
<p>[実践能力]</p>
<p>4.直観の本質を物語る能力:リーダーはプロデューサーである。<br />
 リーダー達は、「よそ者」としての視点を持っている。<br />
 ソーシャル・イノベーションを担う実践知リーダーは、文脈を踏まえて社会的価値を共創するような知の組み合わせを模索し、関係性構築により知の相互作用を次々と誘発させて、変革という物語につなげて行くプロデューサーの役割を果たす。<br />
 「物語(ストーリー)」(名詞)ではなく、現在から過去を見て歴史の中から新たな意味や、起承転結のパターン(動詞)を見いだし、未来を創造する「物語り(ナラティブ):言葉は世界をつくる」である。</p>
<p>5.現物語を実現する政治力:リーダーは自己組織化のきっかけをつくる。<br />
 世の中を変えるほどの大きな流れとなるには個人の力だけでは十分ではない。見逃してはならないのは、社会変革の自己組織化現象である。<br />
 リーダーは変革のきっかけをもたらすが、その過程で自らの価値観に対する周囲の共鳴、共感を呼び起こすことによって、活動の多様な広がりを創発する。<br />
 かならずしも一人のリーダーに依存しない。パートナーシップを組んで協力を引き出していくことができれば、リーダーに頼らずに人の意識や組織の仕組みも変わって行くはずである。</p>
<p><組織的に継承していく能力></p>
<p>[実践能力]</p>
<p>6.実践知を組織する能力:リーダーは変革を持続させる。<br />
 リーダーは、ひとたび仕組みを作り上げた後は、停滞・固定化に陥らないように持続的に変化のきっかけをもたらし、新たなサイクルへの移行をうながす必要がある。<br />
 ただし、ひとりの人間としての力には限界があるため、様々なレベルでリーダー的人材が育成されていくことが望ましい。それは実践を通じて経験を蓄積して行くのが早道である。<br />
 実践知リーダー達の思いに共感し、その活動を継承しながらも、現実の文脈のただ中で、行動しながら刷新をして行く「守破離の方(クリエイティブ・ルーティン」が必要となる。</p>
<p> 以下は、暗黙知・経験知・実践知のダイナミック・トライアド(動的な3つ組)が社会変革を推進することを表した写真です。既出ですが、もう一度掲載します。

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