私の妄想:ALS患者の労働論のその後

 土曜日の呼吸リハの効能が、今朝方で切れました。一昨日に続き、昨夜も眠ることはできましたが、今朝から頭がガンガン痛い。呼吸リハで増えた酸素量が、急に減ったんでしょうね。効能が切れるのが早いなあ。血ガスの酸素分圧100ってほんまかいな。おまけに低体温の症状がまた出てきた。振戦は年中無休で働いてくれています(^^)

 今日は午後から、営利法人として障害者自立支援法を活用した障害者福祉作業所を経営しておられるKさんにお会いしてきました。ALS患者からみた障害者自立支援法(で使われるサービス)と言えば、そのほとんどが都道府県が認可をする「介護等給付」あるいは市町村の行う「地域生活支援事業」(の中の移動支援=ガイヘル)に関するものですが、障害者福祉作業所に関するものは都道府県が認可をする「訓練等給付」に当たります。旧法では身体や知的といった障害別に、社会福祉法人が運営する授産施設や、任意団体またはNPO法人が運営する無認可作業所が設立されていましたが、いずれも平成21年までに「訓練等給付」のいずれか、あるいは市町村が行う「地域支援事業」(の中の地域活動支援センターなど)に移行するか、それとも運営をやめるかを迫られています。Kさんの作業所は支援法施行後に作られた作業所なので、すでに「訓練等給付」の一部として運営しています。

 「訓練等給付」には4種類ありますが、その中でも多いのが「就労移行支援」と「就労継続支援B型」というものです。対象者としてみると、「就労移行支援」というのは、まだ社会で働いたことがない障害者、例えば特別支援学校(旧の養護学校)の新卒者の方などが対象となります。そこで最長2年間の訓練を受け、一般企業の一般雇用枠、一般企業の障害者雇用枠、特例子会社、中小企業等へ就職(正規社員・アルバイトないしは訓練生としての就職)するか、「就労継続支援B型」へ移ります。「就労継続支援B型」というのは、基本的には一度でも社会に出て働いたことがある方を対象としています。就労継続の支援期間の限定はありません。施設としてみると、従来(旧法)からの「授産施設」が、そのまま「就労移行支援」や「就労継続支援B型」へ移行しています。NPO法人は「地域活動支援センター」に移行するところが多いです。移行に向けて、任意団体は何らかの法人格を取得しなければいけません(主にNPO法人が多い)。

 また、「就労継続支援B型」と良く似たものに「就労継続支援A型」というものがあります。この違いは、主に障害者へ支払う工賃の基準の差です。「就労継続支援B型」はその都道府県の最低賃金の1/3以上を工賃として障害者に支払うことが条件とされており、「就労継続支援A型」はその都道府県の最低賃金以上を工賃として支払うこと(すなわち雇用契約を結ぶことになる)が条件となります(大阪府では、実際はB型に関しては緩和措置が取られています)。「就労移行支援」については、工賃は出来高払いとなります。ここに出てきた「就労移行支援」「就労継続支援B型」「就労継続支援A型」は、並行して事業実施できます。

 「就労継続支援B型」は最賃の1/3以上支払うことが条件と書きました。しかし大阪府は、授産施設や無認可作業所が支払っている障害者への工賃が全国最低であり、数値でいえば平成18年度で約8,000円/月です(日当の間違いではなく月収です)。ただし各施設・作業所の工賃をグラフにすると、そのほとんどが3,000〜5,000円/月であり、かつ数万円の工賃を支払っている作業所がいくつか存在するので、均すと8,000円/月となってしまいます。つまりその実態は、ほとんどの障害者の方が、月収3,000円程度の工賃と障害年金で暮らしている(実際は暮らしていけないので親元に住み続けることになったり、親が亡き後などは生活保護に頼る方が多い)のが現状です。

 Kさんの作業所は、上述した数万円の工賃を支払っている「就労継続支援B型」の1つです(「就労移行支援」も行っています)。Kさんの「就労継続支援B型」に通っている障害者の方には、平均して約5万円/月の工賃が支払われています。と言っても、他の施設・作業所からみて、何らめずらしい商材を売っているわけではありません。特別、障害が軽い方が集まっているわけでもありません。他の施設・作業所でもよくやっている部品の組み立てや検品作業を、主に重度の知的障害の方が行っています。でも、Kさん自身が町工場出身であり、町工場のノウハウを活かして「障害者にしかできない仕事」あるいはその工程を作り出し、単価の安い仕事から高い工賃を生み出す創意工夫をされています。

 以前、私のブログのどこかに、私の妄想の1つである“ALS労働論”(ネーミングは私が勝手につけたものです。“論”というほど大げさなものではありません。)について少し触れました。ALS患者が少しでも労働することが可能になるような方法はないのだろうか、という実現性・具現性の乏しい妄想です。その実現性・具現性の乏しい妄想にヒント・アイデアを足して行くべく、Kさんからいろいろお話を聞かせていただいております。

 私も一応、経営者あるいは一人親方(あるいはフリーター)として、5年以上、1人でのらりくらりと仕事をしてきました。でもALS患者となり、思うようについてこない身体を毎日見つめながら、経営者を「半分」降りることを考え始めています。

 「半分」だけ降りるのだから、まだしばらく「残り半分」は経営者です。「降りた半分」を使って、ALSという病気を持ちながらも、私自身が障害者であるからこそできる仕事、労働者だけど雇用者ではない働き方を模索してみようかなと思っています。そして病気の進行に合わせて、その構成比を変えていければ、あるいは病状により「一時停止」という選択肢を加えていければいいなと考えています。

 あやふやなことばかり書いてごめんなさい。自分の住環境に加え、労働環境を中長期的に検討している最中なのです。また時々、このブログで私の妄想を述べていきます。ご迷惑かもしれませんが、お暇な時にでも読んでやってくださいませ。

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