私は大阪市と大阪府の一体的経済対策を求めていますが、財政から見ると、このような問題もあるのですね。

三橋貴明の「新」日本経済新聞』3/26 島倉原@評論家 さんより

私は大阪市大阪府の一体的経済対策を求めていますが、財政から見ると、このような問題もあるのですね。島倉原さんのブログも面白いです。

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おはようございます。
ときおり寒の戻りはありますが、私の地元の関東にもサクラの開花前線が到達するなど、前回(先々週)と比べ、だいぶ春らしくなってきています。
http://sakura.weathermap.jp/

といいつつ、今回のテーマは大阪。
大阪市を廃止して5つの特別区に分割し、同地域の行政を大阪府との間で再編する、いわゆる「大阪都構想」について、経済政策としての問題点を述べるものです。
「入門編」とあるように、ポイントのみを簡単にまとめています。
詳しい内容は、下記の拙ブログ記事で述べていますので、参考にしてください。
http://keiseisaimin4096.blog.fc2.com/blog-entry-85.html

なお、言わずもがなかもしれませんが、今回の記事を書いたのは、当メルマガの執筆者仲間である藤井聡さんに肩入れするためでもなければ、ましてや橋下徹大阪市長が嫌いだから(!)でもありません。
あくまでも、常日頃お伝えしている、

「長期にわたる緊縮財政が、日本の経済や社会をおかしくしている」

という様々な事実を踏まえた私自身の所見を、大阪の現実に当てはめてみた結果をお伝えするものです。

では、「大阪都構想」の何が、経済政策として問題なのでしょう。

そもそも「大阪都構想」の出発点は、「大阪府大阪市の二重行政によって生じている税金の無駄遣いが、財源不足を引き起こし、大阪経済活性化の足かせとなっている」というものです。
そこから、「大阪市というシステム(存在)自体に問題がある」という発想が生まれ、「大阪市を解体し、大阪地域の行政を再編し、無駄な行政費用をカットする」という構想につながっています。
つまり、「大阪都構想」とは、橋下市長がいみじくも府知事時代の堺屋太一氏との共著『体制維新─大阪都』でいみじくも述べているように、「放漫財政から緊縮財政へのシフト」と「構造改革(「大阪市」というシステムの解体)」がセットになった政策パッケージというわけです。
http://oneosaka.jp/tokoso/
http://amzn.to/1EGTLaE

しかしながら、本当に「大阪市での無駄遣い」が、大阪経済停滞の原因なのでしょうか?
GDP統計が示しているのは、「過去約20年ないしは過去約40年、比較対象となる大都市圏の中で、大阪市大阪府はもっとも財政支出の伸び率が低く、経済成長率も低い部類に属する」という現実です。
つまり、「大阪市で放漫財政が行われている」という発想には重大な事実誤認があるばかりか、そうした発想から緊縮財政をより強力に推し進めようとする大阪都構想は、かえって大阪経済の不振を加速するリスクがある、というわけです。
http://on.fb.me/18qkH0k
http://on.fb.me/1ApK6P3

では、大阪都構想の発想とは逆に、積極財政に転じれば、大阪経済は活性化するでしょうか?
やはりGDP統計で確認できる、「財政資金が重点的に投下されていた高度成長期の大阪は、全国、さらには東京すらも上回る経済成長を遂げていた」という事実は、そうしたシナリオが現実的であることを示唆しています。
http://on.fb.me/19mrBEP
http://on.fb.me/1Ldnmfv

しかも、高度成長期には、都市インフラ整備のため、中心都市である大阪市により多くの財政資金が投じられていたと推測されます。
だとすれば、地域経済のけん引役としての役割のみならず、「老朽化した都市インフラの維持・更新費用の確保」という観点からも、都構想の発想とは逆に、大阪市にこそ今以上の財政資金を投じる意義があるとすら考えられるのです。
http://www.city.yokohama.lg.jp/seisaku/daitoshi/tokubetsu/

「そうは言っても、今の大阪の財政って、支出を拡大するほどの余裕はないんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれません。
しかしながら、政府全体(国+地方自治体)としてみれば、「単年度の財政赤字の対GDP比」を拡大したのも、「政府債務の対GDP比」を加速度的に増加させたのも実は緊縮財政であり、積極財政に転じればむしろこれらの指標も改善することは、以前お伝えしたとおりです。
ということは、国・大阪府大阪市間の適正な支出分担さえ図れれば、いずれの財政指標も悪化させることなく、積極財政によって大阪経済の活性化は実現できるはずなのです。
http://keiseisaimin4096.blog.fc2.com/blog-entry-69.html
http://keiseisaimin4096.blog.fc2.com/blog-entry-73.html

もっとも、今日に至るまで、大阪において緊縮傾向の財政運営を進めてきたのは、橋下市長や大阪維新の会だけではありません。
それ以外の政権の期間の方がむしろ長いわけですし、過去20年に関して言えば、いまだに続いている国による緊縮財政の推進も、大きな足かせとなっています。
したがって、「大阪都構想」を阻止したからといって、すぐに大阪経済が良くなるわけではもちろんありません。

しかしながら、「大阪都構想」には、特に大阪市を対象とした緊縮財政(及びその結果としての大阪経済の低迷)を加速させかねない、制度的要因がいくつも存在しています。
藤井さんが既に指摘されている「大阪市外への財源流出」や、「大阪市に蓄積された都市計画力の劣化・毀損」も、当然その中に含まれるでしょう。
また、冒頭ご紹介した拙ブログ記事の後半でも述べているように、大阪の行政にとって有力な財源獲得手段である「機関投資家向けの市場公募型大阪市債」が、大阪市の廃止によって発行できなくなることも、そうした要因の1つとして作用する可能性があるのです。
これでは、「構造改革」ならぬ「構造改悪」ではないでしょうか。
http://keiseisaimin4096.blog.fc2.com/blog-entry-85.html

ネット上にアップされたタウンミーティングの動画を観ると、橋下市長は「今の大阪に問題がある、と危機感を持っている人は大阪都構想の賛成派。今のままでも大丈夫という人は反対派」と説明しているようです。
しかしながら、「危機感は持っているけれども、今以上に状況を悪化させたくないから今回は反対票を投じる」という選択肢は、当然ありえます。
今回述べた事実、あるいはそこから想定されるリスクを踏まえれば、そうした選択肢が妥当なのではないでしょうか。
今後の国政選挙・地方選挙の双方を通じて、積極財政の重要性を理解した、確かなビジョンを持った政治家を選出することこそが、大阪に限らず、日本全体にとっても真の問題解決への道ではないかと思われます。

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2 thoughts on “私は大阪市と大阪府の一体的経済対策を求めていますが、財政から見ると、このような問題もあるのですね。

  1. 返信する

    都構想でよくなるとは限らない、とは読めますが、大阪都にするとリスクが増える根拠が書いてありませんね。
    「大阪市に蓄積された都市計画力の劣化・毀損」というのは始めて聞いたので少し調べてみましたら、『重要なのは都構想ではなく(例えば)リニアだ。リニアだけでも対案になる』というような内容でした。
    自分は自分なりに都構想を理解しているつもりなのですが、『リニアが対案』という意味がちんぷんかんぷんです。
    そうではなく論点は『リニアを呼び込むためにはどちらが良いのか』ということだと思います
    オリンピックでも良いでしょう。『オリンピックを誘致する為にはどちらが良いのか』
    そして今のまま“大阪府と大阪市”の方が実現できると思えば反対に投じればよいのでしょう。
     
    藤井さんの言う『リニアは大事』というのはすごくよく分かりますが『都構想にしたらその可能性が下がる』と言う根拠が少し説得力に欠けます。
     『地権者交渉を行う実力が大阪において大きく劣化する可能性』
    なぜなら
     『大阪府には、そんな複雑な都市計画上の調整を行ってきた「経験」がない』
    説明パンフレット17ページに書いてありますが、大阪市の広域行政に携わっていた職員は、その計画と共に府に移管します。
    藤井さんは
    『現在の大阪市の都市計画局の人間の多くは、これからは、特別区の都市計画課で働き、大都市計画ではなく、5つの別々の特別区の「地域計画」に、それぞれの「区長」の指示に従いながら従事しなければならなくなります』
    と書いてありますが、その根拠はなんなのでしょうかね、、。府に仕事も財源も渡すのに、人だけ渡さない、と考えているのでしょうか。

  2. toyokosan 返信する

    交通は人を運ぶものであるので、イベントは重要でしょう。交通はまた、人以外のものも運びます。「新幹線が情報を運ぶ」と言われていますが、今後は「リニアが情報を運ぶ」という時代になるでしょう。そのためにも、リニアの早期大阪延伸を私は望みます。
    加えて、大阪市は企業が作ってきた街です。藤井先生がおっしゃる都構想にすればその可能性が下がるというのは、やはり経済的視点から見て、財界の力が弱まるからというお考えがおありなのではと思います。
    人の移動をするためには、大阪市職員が大阪府職員に採用されなければいけません。そういう制度上の制限があり、特別区内でしか働けないという可能性はありますね。

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